光ファイバー伝送機BarnColorシリーズに関するFAQ

公開日:2025/02/20最終更新日:2025/02/20

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2024年からテクノハウスはBarnfindTechnologiesの光ファイバー伝送機「BarnColorシリーズ」の販売を開始しました。この特徴的、かつシンプルでユーザーフレンドリーな製品ですが、使用構成にあたってはいくつかのポイントがあります。これをFAQに纏めたものです。

1.「BarnColor」シリーズ共通

Q1.BarnColorは何をする製品ですか?

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A1.BarnColorは、ファイバーケーブルを介して双方向に複数の信号を送受信するための最新製品のラインナップです。
1台のBarnColorに最大4つまでの信号を入力し、シングルモードファイバーを介して長距離伝送、さらに伝送先から4つまでの信号を受け取って信号出力する能力を持っています。

Q2.BarnColorが多信号を伝送する方法の基本的な仕組みは?

A2.本来なら信号1つに1系統の光ファイバーで伝送するところを、光の波長を変えて1つの光ファイバーに多重するレガシーなCWDM技術を用いることで多チャンネルの伝送を実現しています。

Q3.BarnColorは長距離伝送をケーブル補正で行いますか?

A3.同軸ケーブルや1GEthなどの電気信号の補正をする機材ではありません。
長距離伝送するのは光ファイバーケーブルによるものですので、光に変換する前や光から電気へ戻した後の配線での信号劣化は修正しません。

Q4.BarnColorでSDIを伝送するときの注意点は?

A4.特に12G-SDIを伝送する場合は、光変換する前の同軸ケーブルの材質、圧着端子、製造工法が12G-SDI対応であること、極力短い同軸ケーブルを使用し(Barnfindは2mでの計測にて出荷チェックしています)伝送対象の機材の性能も含めて健全な信号特性であることを確認した状態で使用してください。

Q5.BarnColorはIP伝送ですか?

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A5.IP変換の機材ではありません。
光ファイバーを使用してますが高速ネットワークによる伝送ではなく、各種光変換の規格に沿って電気信号を光に変換しているシンプルな仕組みで、IP化プロセスや圧縮技術と言ったものとは異なるレイヤーの製品です。
その為伝送系統のネットワークスイッチ使用や、インターネット網を伝送系にはできません。

なお、IPネットワーク信号を伝送対象の信号として長距離伝送することはできます。

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Q6.BarnColorは伝送の前後で映像の劣化や遅延が発生しますか?

A6.映像信号に対してIP化や圧縮などの方式変換をすることなく、単純に光に変えて伝送するので、劣化がなくゼロレイテンシーを実現しています。

Q7.4色あるのはなぜですか?

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A7.カラーの違いは伝送する光の波長の違いです。
SDI、SFP、1GEthそれぞれに、赤青緑紫の4色が用意されています。これは多重する光の波長によって色分けされています。よって、例えばSDI同士でも違う色とは伝送できません。
一方で同じ色同士でも、違う方式の信号とは伝送できません。

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BarnColorユニットは、各方式を混在して各拠点に最大4つ/4色のボックスをカスケード接続できますが、同じ色をカスケードしないよう気を付けてください。

Q8.BarnColorはどのような光ファイバーケーブルが使用可能ですか?

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A8.光ファイバーケーブルは、シングルモード2芯LC、OpticalCON DUOが使用可能です。
OpticalCON DUOは、OpticalCON DUO LITEを選んでください。BarnColorの2つの光接続端子が近接している為、opticalCON DUO、opticalCON ADVANCED等のコネクター部分が太い構造は、干渉して信号が途切れたり破損する恐れがあります。

Q9.手持ちの光ファイバーケーブルに合わせて、コネクターをカスタマイズできますか?

A9.他の形式(多治見やSCなど)には光接続端子を変更できません。LC、もしくはOpticalCON DUO以外の形状のケーブルを使用するには、信頼できる製造元から入手した変換ケーブルを使用してください。
変換ケーブルを多数使用すると、2芯のクロス接続ができなくなる場合があります。この時、伝送は行えません。接続が成立するように気を付けてください。

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Q10.光ファイバーケーブルの使用方法について

A10.光ファイバーケーブルは、抜き差しする都度、クリーニングしてください。

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光ファイバーケーブルやフェルール端面は、皮脂が少し触れただけでも性能を発揮できなくなります。必ず抜き差しの際にクリーニングするよう習慣づけ、現場には必ずクリーナーを所持してください。クリーニングの方法は、光ファイバーケーブルのメーカーやクリーナーのメーカーにご確認ください。
OpticalCON DUO LITEのケーブルは、抜くときに一度押し込んでから、コネクターのスプリングを締めたまま抜くようにすると、簡単に抜けます。無理に引っ張ると破損の原因になりますのでおやめください。

2、BarnColor-3G-SDI、BarnColor-12G-SDI

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Q1.BarnColor-3G-SDI、BarnColor-12G-SDIは何をする製品ですか?

A1.同軸ケーブルのSDI信号を長距離伝送するための光ファイバー伝送機です。

Q2.伝送可能な信号はSDIだけですか?

A2.SDI信号と同様に同軸ケーブルによるデジタル信号であるMADI、AES/EBUデジタルオーディオ、SDTI、ASIが伝送可能です。

Q3.BNCコネクターが8個ありますが、それぞれどのような関連ですか?

A3.4個の入力と4個の出力で、計8系統の独立した信号が相互干渉なく伝送されます。

Q4.SDI出力を4個持った8Kカメラは接続できますか?

A4.12G-SDI 4系統を同時に使用する8Kカメラ信号の伝送、送り返しなどに使用可能です。

3.BarnColor-Eth-PoE

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Q1.BarnColor-Eth-PoEは何をする製品ですか?

A1.1Gbイーサネットを長距離伝送するための光ファイバー伝送機です。

Q2.BarnColor-Eth-PoEはネットワークスイッチですか?

A2.一見、4ポートのネットワークスイッチのように見えますが、それぞれのポートは分離しており、ポート間での通信はしません。あくまで光伝送先の同じポートとの間とのトランクラインが4つあるイメージです。

Q3.BarnColor-Eth-PoEは事務用ネットワークの伝送用ですか?

A3.昨今、多くのAVシステムの場面で使われているNDIやDante、PTZカメラなどのAV over IPシステムを長距離伝送するのに適してます。ProAVの現場で活躍する製品です。

Q4.BarnColor-Eth-PoEはPoEに対応しますか?

A5.接続機器に対してポート毎に15WのPoE給電が行えます。

4.BarnColor-10GSFP-Flex、BarnColor-12GSFP-Flex

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Q1.BarnColor-10GSFP-Flex、BarnColor-12GSFP-Flexは何をする製品ですか?

A1.4つのSFPポートを有する光ファイバー伝送機で、用途に応じてSFPモジュールを差し込んで、それぞれの信号を長距離伝送します。4ポートでSFPモジュールの種類をそろえる必要はありません。

Q2.BarnColor-10GSFP-FlexとBarnColor-12GSFP-Flexの違いは?

A2.ポート毎の伝送レート10Gb/s対応のバージョンと12Gb/sのバージョンの違いです。BarnColor-10GSFP-Flexの光伝送距離は40km、BarnColor-12GSFP-Flexの光伝送距離は10kmです。価格も2倍くらい違いがあります。

Q3.SFPモジュールはどんなものがありますか?

A3.SFPモジュールにはSDI等の同軸ケーブルを双方向で繋ぐBNCのメディアコンバータータイプや、RJ45、マルチモードファイバーなどのネットワークタイプ、ST2110 encap/decapなどが純正品として用意されています。また、サードパーティのSFP+も使用可能です。

Q4.BarnColor-10GSFP-Flexで4K映像信号の伝送はできますか?

A4.4K60pの伝送を行う12G-SDIに対応するには12Gb/sのバージョンが必要ですが、10Gb/sにBNCのSFPを刺した場合でも4K30p 6G-SDIの伝送が可能です。

Q5.BarnColor-12GSFP-Flexで10Gネットワークの伝送はできますか?

A5.10Gネットワークは12Gb/sのバージョン、10Gb/sのバージョン両方で使えます。
10Gb/sのバージョンで10Gネットワークを伝送すると、NDIの多チャンネルマルチストリーム伝送なども可能になり、コストパフォーマンスと柔軟性の良い構成が組めます。