evertzのIP製品 4つのポイント
公開日:2018/07/26最終更新日:2023/07/26
放送局などのメディア事業者は既存設備をIP化することを直近の課題としていることがあります。
このような課題に直面した時、幅広い製品ラインナップ、実績を持っているevertz製品でシステムを組むことをオススメしています。
ちなみにevrtzではevertzのIP製品をSDVN(Sofware Defined Video Networking)製品と呼んでいます。
evertzの公式サイトを元にevertzのIP製品の4つのポイントを見ていきたいと思います。
まず、evertzのIP関連製品には4つの領域があります。
関連性は下記の図を参照いただければと思います。
evertzのIP関連製品の相互関係
データ引用元:evertz製品ページ
※上記を元にテクノハウスで編集したもの
※2018/07/26現在のデータより
evertzの製品はIP化に必要なすべての領域で製品提供を行っています。これは他社には類をみないラインナップと言えます。
次に各領域の特徴を見てみましょう。
1.Switch Fabrics(IPスイッチ・IPビデオルーター)
Evertzは、あらゆるタイプの設備に対応させるために広範囲な大容量のスイッチファブリック(IPスイッチ/IPビデオルーター)を提供しています。
3080IPXは、16/32/64/128のポートに対応し、 EXE-VSRは、576から2034のポートに対応します。
IPスイッチ/IPビデオルーター製品は現在及び将来の非圧縮ビデオ規格に合致する1/10/25/100GbEインターフェースをサポートします。
EXE-VSRは、IPとSDIの考え方を活用して、他に類を見ない冗長性と拡張性を持つスイッチングコアを提供します。
またevertzのIPスイッチ/IPビデオルーター製品は、あらゆる規模のライブ制作アプリケーションに最適で、フォーマットに依存しない、ノンブロッキングで超低遅延な製品です。
これらのスイッチファブリック製品は、小規模の設備でワークフローを最適化するのを可能にし、グローバル企業がワイドエリアネットワークでコンテンツを共有、配信することを可能にしました。
後述のMAGNUM SDVN オーケストレーション/コントロールと組み合わせて使用された時、Evertzのスイッチファブリック製品は、放送設備において、あらゆるアプリケーションに合致した拡張性のあるセキュアなソリューションとなります。
IPスイッチ/IPビデオルーター製品
IPX製品の例
EXE-VSR製品の例(EXEVSR16・EXEVSR28・EXEVSR40)
2.Media Gateways(メディア ゲイトウェイ)
EvertzのIPメディアゲートウェイ製品は、豊富なラインナップを取り揃えているため、放送局にSDIからIPへの移行に対する費用対効果の高い方法を提供します。
Evertzは、ビデオ、オーディオ、メタデータに対するIPカプセル化、非カプセル化を提供する幅広いIPメディアゲートウェイ製品があります。
570IPGとevEDGEは、SMPTE ST2022-6、SMPTE RDD37(ASPEN)、SMPTE ST2110などの規格をサポートします。
570IPG高密度IPメディアゲートウェイ
画像はevertz製品サイトより
570iTXE(IPオンランプゲートウェイ)は、JPEG2000、H.264、MPEG-2及びHEVCのような圧縮フォーマットをサポートします。
570IPG、570iTXE、evEDGEは、オーディオ及びアンシラリーデータのIPカプセル化/非カプセル化を提供します。
5700MSC-IP(IPネットワークグランドマスタークロック&ビデオマスタークロックシステム)は、EvertzのSDVNソリューションのキーコンポーネントです。
それはハイブリッドSDI/IPアーキテクチャー及びオール-IP設備のためのタイミングリファレンスを提供します。
従来のビデオリファレンス(2値または3値)に加えて、IEEE1588(PTP)、SMPTE 2059-2及びマスターPCRをサポートします。
5700MSC-IP(IPネットワークグランドマスタークロック&ビデオマスタークロックシステム)
画像はevertz製品サイトより
3.Orchestration, Control and Management(オーケストレーション・コントロール・管理)
Evertzの Sofware Defined Video Networking(SDVN) システムは、MAGNUMによって制御されます。
MAGNUMは、システム全体の中心になる製品です。
馴染み深いコントロールサーフェスを使用して、放送局がシームレスにSDIのシステムからIPシステムへと移行できるよう、完全なシステムのコントロールと可視化を提供します。
ディスカバリー、パス検索、帯域管理、サードパーティのサポートといった先進の機能で、MAGNUM SDVNは、総合的なコントロールシステムとなります。
例:MAGNUMのGUI
写真はevertz製品ページより
VistaLINK PRO及びinSITEは、SDVNシステムの中でこれまでに無い可視化を提供します。
VistaLINK PROは、SNMPを介したシステムの状態を監視するネットワーク管理システムです。
VistaLINK PROは、Evertz製の機器と3rdパーティ製の機器を幅広いライブラリでサポートします。
inSITEは、放送局がビッグデータ分析を元に、システム内の機器からログを検索し、取り込み、収集して、関連性を分析することを可能にします。
これは、並外れたインターフェースから、システムレベルのトラブルシューティングとパフォーマンス分析を高速で可能にします。
例:inSITEのUI
画像はevertz製品ページより
ちなみにではありますが、”オーケストレーション”という聞き慣れない言葉が出てきました。IP製品など昨今の流行りの言葉なのですが、なんとなくわかるようなわからないような、日本人には馴染みの無い言葉かと思います。
wikipediaによれば下記のような解説になっています。
オーケストレーション(英: Orchestration)は、複雑なコンピュータシステム/ミドルウェア/サービスの配備/設定/管理の自動化を指す用語。
何らかの知的制御や自律制御として議論されることが多いが、技術的解説と言うよりも大部分は単なるアナロジーである。実際には、オーケストレーションは制御理論の要素としてオートメーションやシステムの考え方を持ち込んだものと言える。
引用元:wikipedia“オーケストレーション”
4.Pooled and VirtualResources(プールドリソース ヴァーチャルリソース)
プールドリソース・ヴァーチャルリソースという少し聞き慣れない言葉が出てきました。
プールドリソースとは共有リソースを増やしていこうという考え方。
ヴァーチャルリソースのほうは、今まで個別のリソースが必要だったものを複数の機能をもたせることにより、結果的にリソースを減らす事ができます。という意味合いです。
設備内でIPを使用することで、ワークフローに効率性や俊敏性及び柔軟性をもたらします。
コアに大容量のIPスイッチ製品を用いることで、あらゆるサービスに対し、全てのリソースが使用可能になります。
オーケストレーション及びコントロールのレイヤーとしてのMAGNUMが、ソフトウェアコントロールを介してリソースに接続します。
ビデオ、オーディオ及びアンシラリーを処理する機器は、設備を通じて共有するプールドリソースとなります。
これは次のものを含みます: フレームシンク、カラーコレクション、イメージエンハンスメント、SDからUHDまでの全ての主要なフォーマットに対するアップ/ダウン/クロスコンバージョン、オーディオシャッフリング、ディレイ、プロダクションサーバー、リプレイサーバー、マルチビューワー、インテグレテッドチャンネルプレイアウト及びトランスコーディングのようなその他のリソースも、設備を超えて共有することを可能にします。
このリソースのプール化は、放送局が資産と運用コストを管理すると同時にダイナミックな設備を構築することを可能にします。
evEDGEプラットフォームは、次世代のプールドリソースです。
evEDGEコンピュートブレードは、共通のビデオ、オーディオ及びアンシラリーを処理するブロックを仮想化することを可能にします。
ハードウェアでアクセラレートされたコンピュートブレードが、要求に応じてリソースを動かしたり、止めたりする柔軟性を提供します。
つまり、オンラインでライセンス管理をすることでライセンスの時間貸しを可能にしています。
また仮想化されたリソースは、現状オンプレミスだけだったものをオフプロミス(クラウドサービス)へ拡張することも可能です。
プールドリソース・ヴァーチャルリソース製品の一例
写真はevEDGE
まとめ
このようにevertzのIP製品は広い領域において製品を提供しています。
これからのIP化には欠かせないシステムを早い段階で提供し始めたというのもevertzの魅力の一つです。
製品に対するお問い合わせ、導入の検討等を考えていらっしゃるお客様いらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。
よろしくお願いいたします。