IO Industries 8KSDI デモユニット
公開日:2021/04/06最終更新日:2021/04/06
2020年の秋に紹介した IO Industries 8KSDI、昨年の段階ではプロトタイプの概要でしたが、製品版のデモユニットが入ってきたので開発段階からの変更点をお知らせします。
レンズマウント
8KSDIはレンズマウントにニコンFマウントを採用していますが、今回のデモユニットにはアクティブタイプのEFマウントオプションが付属されています。
これにより、カメラのコントロール系と同じソフトウェアから、レンズのアイリスを動かすことができ、明るさのパラメーターであるゲイン、シャッタースピードとともにオートでの露出コントロールを可能にします。
クーリングファン
プロトタイプでは、放熱に対して冷却フィンによる自然放熱のみでしたが、製品版ではクーリングファンを採用しました。冷却フィンのみの時でも一日中運用することができるほど安定していましたが、フィンの温度自体はかなり高温で触るのが難しいほどでしたから、クーリングファンによる積極的な冷却は運用に対しても有効だと思われます。
4月中はデモを受け付けております。この機会に8K解像度のライブカメラをお試し下さい。
SDIライブカメラのレイテンシー
さて、IO IndustriesのSDI出力を持つカメラは、この8KSDIの他、Victoremシリーズの4KSDI-Mini、2KSDI-Miniなどがあります。これらのカメラのセールスポイントとして、小型であること、レンズ交換式であること、遠隔リモートコントロールが可能、などがあげられますが、隠れた性能の一つに、撮像からSDI出力までのレイテンシーの少なさがあります。
センサーが光を受け取って電気信号化し、内部プロセスを経由してSDI出力する、このレイテンシーが大きいと、表示までにタイムラグが生じ、音声とのずれなど様々な弊害が生じます。特に、コンサートなどの音楽イベントで、ライブで聞いている音楽と映像がずれてしまうという問題は切実な懸案項目だと思われます。
各カメラのレイテンシーは以下です。
- 2KSDIMINI @ 1920×1080 60fps 10-bit 4:2:2 = 252.6 microseconds
- 4KSDIMINI @ 3840×2160 60fps 10-bit 4:2:2 = 502.2 microseconds
- 8KSDI @ 7680×4320 60fps 10-bit 4:2:2 = 127.7 microseconds
60fpsの撮影で、1フレームは16666マイクロ秒です。IO Industriesのカメラが如何に少ないレイテンシーで動作しているかお分かりいただけると思います。
音楽イベントでのライブ定点カメラとして、是非ご検討いただければと思います。