国会中継・音声分配アンプシステム-DHD・SONIFEX導入事例-

公開日:2022/10/04最終更新日:2023/04/03

DHD-SONIFEX

国会中継の音声を民放各社、報道機関へ送る分配アンプシステムを導入

「国会放送記者会」(通称 民放クラブ)には、本会議や各委員会などで行われる審議や会見の音声を加盟ラジオ各社や在京テレビ6社、ニュース映画社5社が加盟する記者クラブなど、各報道機関へ分配するための、分配アンプシステムが導入されています。分配アンプはシステムの中枢に位置する機材でもあり、これまでは専用の特注機材で構成されていましたが、今回の更新で完全な特注品では無く、汎用機器を使用したシステムを導入することになりました。
汎用機器と言っても、分配アンプシステムの中心部にはフルカスタマイズに対応したDHD.audioのXC2ルーティングシステムを採用し、民放クラブ専用にカスタマイズした音声ルーターを作り、各所への分配にはSONIFEXの音声分配アンプを採用しています。

 

システム構成について

racksystem-technohouse

ラック1本にまとめられたコンパクトなシステム

民放クラブ内に設置されたラックはスペースを有効に活用できるように、前面だけでなく背面にも機材が設置されています。前面には操作が必要なルーターや収録機、分配アンプなどのレベル調整が必要な機材などが設置されています。
背面にはフォーマット変換(アンバラーバランス変換)や、音声トランスパネル、コネクターパネルなどを設置しています。そこで背面へのアクセスがしやすいように、ラックを手前に引き出せる可動式ラックを採用しました。

ラック1本にまとめられたシステムでは、音声を分配して各社に送る機能の他に、音声の収録を行う録音システムや、審議の映像を録画するシステムが組み込まれています。これらの収録素材は後から必要な音声を取り出すために使用されます。

 

ルーティングシステム

DHD.audioのXC2ルーティングシステムを採用しています。

XC2-dhd_technohouse

Qパネルを使用したコントロール部分は、汎用のスイッチパネルです。必要なスイッチ数のパネルを組み合わせ、それぞれのスイッチに素材を割り当て動作をカスタマイズしていきます。
今回はルーティング機能でカスタマイズを行っていますが、誤操作を防ぐために「操作ON」ボタンを押しながらの素材切り替えや、オシレーター、トークバック割り込みなどの操作を行うように作り込みがされています。これまでの特注システムと見た目は異なってしまいましたが、3つのパネルで操作性を合わせることで、技術者でない放送記者でもわかりやすい操作性を実現させています。
音声の入出力部分はラック背面に実装したIO BOXを使用しています。今回はアナログ中心のシステムですが、デジタル化が必要になった場合は、IO BOXを追加してシステムをアップデートすることも可能です。

 

分配アンプ

SONIFEXのRED BOXシリーズを採用しています。

sonifex-redbox-technohouse

このシステムの重要な機能は分配です。
民放各社をはじめ、多くの報道機関に同じ音声を送るために、ルーターで選んだ音声を分配する必要があります。分配アンプはSONIFEXのRB-DA6Gを採用しています。
SONIFEXの製品は分配アンプやフォーマットコンバーター、トランスアンプなどスタジオシステムに必要な周辺機器を多くラインナップしています。

 

最後に

今回ルーティングシステムで使用したDHD.audioの製品はこれまで放送局のスタジオ用のミキサーとして採用されることがほとんどでしたが、IO BOXを組み合わせた音声ルーターとしての採用も増えてきています。
音声ルーターとしてますます導入が進んでいるDHD.audioが国会の記者クラブという歴史のある場所に採用されたということは、新しい展開に向けての大きなターニングポイントになりそうです。

 

使用機材 ※2023/4/3追記 現在下記の製品はヒビノインターサウンドでお取り扱いしております。

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