SDI POVカメラを遠隔操作するサードパーティアイテム-IO Industries –
公開日:2022/07/21最終更新日:2022/07/21
高性能なリモート中継カメラとして
IO IndustriesのSDI POVカメラモジュール、2KSDI-Mini、4KSDI-Mini、そして最新の8KSDIは、「小型」「レンズ交換式」「SDI出力」といった特徴から、放送局から「カメラマンが常駐できないフィールド」に設置する高性能な中継用カメラとして注目されています。
その為、放送用カメラと同等な camera shading コントローラーや、レンズコントロールの手法について、よくご質問を受けます。
そこで今回は、IO Industries SDI POVカメラの遠隔操作をフォローする、サードパーティー製のアイテムをご紹介します。
1.CyanView camera shading コントローラー
IO Industries SDI POVカメラと組み合わせ可能なcamera shading コントローラーとして、これまでTV SKYLINEやSKAARHOJのRCP製品を、お客様にご案内してきました。
IO IndustriesのカメラはそれらのどのメーカーのRCPからでも制御を受けることができますが、今回はCyanViewのコントローラーをご紹介します。
CyanViewのコントローラーは、多種多様な放送用カメラ、PTZカメラ、特殊カメラの色調コントロールを可能としていて、また、ルーティングスイッチャーやカラーコレクターの制御も行えます。IO Industries SDI POVカメラとの組み合わせには、インターフェースにC10を使用することで、RS485プロトコルとPoEを介したカメラへの電源供給に対応します。
RCPとC10の間はLANによって接続され、PoEスイッチを介することで、RCP、C10とも電源の必要はありません。またカメラにもC10から電源供給されるため、コントロール系と電源接続がLANケーブルのみで完成することになります。
LAN接続のため、1台のRCPから複数のデバイスを切り替え制御することができ、また、C10自体も2つのポートを持つため、2台のカメラまで制御可能、マルチカメラの構築に貢献します。そしてLAN接続によるipコントロールですので、遠隔での制御に有利です。
2.edelkroneのムービングヘッドとフォローフォーカス
放送用カメラとしての性能を持つIO Industries SDI POVカメラですが、一方で小型であるという特徴から、DSLR用の特機やジンバル、ドローンとの組み合わせも可能にしています。
その中で、多くのアイテムのラインナップを有し、トータルシステムの構築と簡単なオペレーションが特徴のedelkroneと組み合わせてみました。
ムービングヘッドはHeadPLUS v2、電動フォローフォーカスがFOCUSPLUS PROです。
8KSDI、4KSDI-Miniとも、HeadPLUS v2に対して重量バランスや大きさに問題なく、動作は超高速ではないものの、スムーズな動作が可能でした。もし、B4レンズなどをマウントアダプターなどと共に使用する場合でも、より対応重量の大きいHeadPLUS v2 PROがラインナップにありますので、問題なく動作するものと思われます。
電動フォローフォーカスは、0.8ピッチギアを備えたゴム製ストラップのLens Gear PROと組み合わせています。4KSDI-Miniの場合、胴が細いCマウントレンズが採用されることが多いですが、例えば1型センサーと4K解像度をサポートする興和オプト二クスのFC24MシリーズCマウント単焦点レンズで、フォーカスリングの直径が45mm程ありますので、直径25mmから対応可能なLens Gear PROにより動作を行うことができました。また、このFOCUSPLUS PROでCANON EF24-105mm F4Lのズームリングを動かしてみましたが、こちらも問題なくズームコントロールできました。(EF24-105mm F4Lはフォーカスリングがサーボモーター式ですので、FOCUSPLUS PROでフォーカスコントロールはできません)
edelkroneのシステムは、標準のコントローラーとしてiOS/Androidアプリによるもので、Bluetoothで行われます。遠隔操作の方法としてオプションを組み合わせ、PCソフトウェアで有線接続することも可能ですが、どちらもソフトウェア操作によるものでジョイスティックなどのフィジカルコントローラーは備えていません。その為、使用方法としてはリアルタイムに撮影しながらコントロールするというより、あらかじめプリセットを作り、タイミングを見ながらポジションをリコールしていくという方法になると思います。
拠点が離れた状態でのリモートコントロール
CyanViewやedelkroneとIO Industries SDI POVカメラを組み合わせ、遠隔拠点での運用を行うためのシステムを構想してみました。ポイントとして、映像信号、同期信号、制御をすべてファイバーで伝送します。その為、12G-SDI光変換やSDVoEなどの伝送ツールを盛り込みました。
今回ご紹介した以外にも、IO Industries SDI POVカメラの機動性を生かす国内外のプロダクトを組み合わせ、システムとしてご提案していきたいと思いますので、用途、条件等お気軽にご相談ください。