Evertz Microsystemsについて -放送システムのIP化で10年以上の実績-
公開日:2024/11/29最終更新日:2024/11/29
Evertzとはどのような会社?
Evertz Microsystems Limitedは、カナダのオンタリオ州バーリントンに本社を構える、放送および映像制作の分野で世界的にリードする企業です。
1966年にディーター・エバーツ氏とローズ・エバーツ氏によって設立され、当初は映画のタイムコードやクローズドキャプション機器の専門メーカーとして事業を開始しました。
その後、1983年に社名を現在のEvertz Microsystems Limitedに改名し、1997年にはLeitch Technologyの元従業員グループによる買収と再編が行われました。この変遷を経て、現在のEvertzは革新的な放送技術を世界に提供するブランドとして確立されています。
Evertzは、テレビ、オンデマンドサービス、WebTV、IPTV、モバイルデバイス向けにエンドツーエンドの放送ソリューションを提供しており、コンテンツの制作から配信、最終的な提供までをシームレスにサポートする製品やソリューションを取り揃えています。特に、Evertzの製品は、信号ルーティング、分配、監視、管理、さらにはワークフローの自動化とオーケストレーションを可能にする統合ソリューションとして、業界全体で高く評価されています。また、Evertzの技術はオンプレミス環境およびクラウド環境の両方に適応しており、急速に変化する放送業界の要求に柔軟に対応できる点が特徴です。
Evertzは、放送施設や制作現場、通信事業者、衛星放送、ケーブルテレビ、IPTVプロバイダーなど、多岐にわたるユーザーがいます。特に放送業界の市場では世界的にみても大きな市場である北米では圧倒的なシェアをほこります。これは他社に先駆けて1999年頃にダークファイバー製品を扱いはじめ、認知度が一段と高まったことにも起因しています。
製品群には、SMPTE ST2110やNMOS IS-04/05などの最新規格に対応したIPベースのソリューションも含まれており、業界のIP化の進展に寄与しています。これは2003年頃マルチビューワー製品をリリースした時点で既にIPの基礎技術を開発していたことにも起因します。そのようなこともありIP化においては少なくとも10年以上の実績があり、世界中で600以上の導入実績を持つEvertzのSoftware Defined Video Networking (SDVN)ソリューションは、IPへの移行を目指す、またはオールIPインフラを拡張したいと考える多くの放送局で採用されています。もちろんSDI、HD、4K、UHD、8Kなど、多数の映像フォーマットにも対応しており、次世代の映像技術を牽引する役割を果たしています。
Evertzは、現在ではカナダ、アメリカ、イギリス、ドイツ、アラブ首長国連邦、インド、香港、中国、シンガポール、オーストラリアなど、世界各地にオフィスを展開しています。同社は現在、2,000人を超える従業員を擁し、その規模と影響力を拡大しています。
また、EvertzはこれまでにQuartz Electronics(2005年)、Pharos Communications(2011年)、Quintech Electronics & Communication Inc.(2018年)、Ease Live AS(2020年)、Studer(2021年)など、複数の企業を買収しており、技術的なノウハウと製品ポートフォリオを強化してきました。同社の買収戦略は、革新的な製品開発を支え、競争優位性を高める重要な要素となっています。
Evertzは、SMPTE(映画およびテレビ技術者の国際標準化団体)のサステイニングメンバーとしても活動しており、業界標準の策定や技術革新においてもリーダーシップを発揮しています。その結果、同社はカナダの「50 Best Managed Companies(カナダのベスト マネージド カンパニー 50)」に選ばれるなど、経営面でも高い評価を受けています。
Evertzの製品やソリューションは、世界中の主要な放送局、スタジオ、制作会社で広く利用されており、映像制作と配信の効率化、品質向上、コスト削減に寄与しています。このように、Evertzは放送業界全体の進化に欠かせない存在であり続けています。
Evertzとテクノハウス
テクノハウスは1990年からEvertz製品の取扱いを始めました。放送局で使用される光ファイバ製品やタイムコードジェネレーターなどの製品群をはじめとして、マルチビューワー製品や3G-SDI対応製品などを販売してきました。近年では、IP製品や12G-SDI対応製品の放送機器の開発を行っています。テクノハウスでは30年以上、これらの製品の販売及び保守をしてきました。
日本ではダークファイバーの解禁に合わせて、それまで決められた機器しか繋げることができなかった光回線にEvertzの製品を繋げられるようになりました。その結果、高品位な映像信号を放送局間などで安定して伝送できるようになりました。
また、アナログ放送時代によく見かけた、調整室にたくさんのブラウン管のモニターが並んだシステムがありましたが、このシステムに変わり、今ではメジャーになったマルチビューワー(大型ディスプレイに映像を自由にレイアウトするシステム)は、Evertzの得意分野であり導入の先駆けとなりました。
InterBEE2024ではEvertzからエンジニアも来日し、IP化した放送局に必要な要素として、ST2110規格に対応したEvertz社製のコアスイッチ、ゲートウェイ、マルチビューワー、カラコレ機能やアップ・ダウン・クロスコンバーター機能を搭載したプロセッサー、グランドマスタークロック、オーディオゲートウェイ、オーディオシャッフリングユニットに加え、タリーの制御・管理を行うためのGPIOインターフェース、ベースバンドのインターフェースとして12G-SDI対応のルーター、サードパーティーデバイスとしてCisco社のスイッチもシステム接続し、システム全体を統括制御するブロードキャストコントローラー、システムをアラーム監視するネットワークマネジメントシステムを組み合わせたかたちの展示を行い、IP化を検討されているお客様に多数ご案内させていただきました。