Barnfind Technologiesってどんな会社?
公開日:2024/12/13最終更新日:2024/12/13
テクノハウスは2024年8月1日からノルウェーに本社を置いているBarnfind Technologies社の一部製品の取り扱いを開始しました。
日本での知名度を上げるべく今回はBarnfind Technologies社について、および取扱製品「BarnColor」をご紹介したいと思います。
1.Barnfind Technologiesの本社はノルウェーにあります
1-1.ノルウェの中でも比較的大きな都市サンデフィヨルド
Barnfind Technologiesの本社はノルウェーのサンデフィヨルドにあります。サンデフィヨルドはヴァイキングの歴史と捕鯨で知られており、ノルウェーで豊かな都市に数えられており、ノルウェーで3番目の大きさとなる商船が建造されているとのこと。ノルウェーでも比較的大きな都市です。
Barnfind Technologiesは、2010年初頭から製品開発が進められ2012年12月に設立、営業を開始しました。民間所有の企業であり、ベンチャーキャピタルはありません。
製品製造と品質管理はノルウェーの独自の工場で行われています。経験豊富な放送/通信業界のベテランが在籍しており、電子製造と開発の幅広いネットワークを持っています。また、販売ネットワークも広く展開しており、50か国以上に製品を販売しており、多くのハイエンドな納入先を持っています。
1-2.製品の主な使用用途
Barnfind Technologies製品の主な使用用途は、スタジオ内やスタジオ間の伝送、中継車内や中継車とスタジアム/イベントの間、フロア間や建物間での信号伝送、遠隔制作など、あらゆる種類の放送アプリケーションに使用されます。通常、100mから100kmと言ったレンジの距離の信号伝送を扱う製品です。
また、エネルギー産業、デジタルサイネージ、遠隔医療、キャンパス、公共設備、企業設備、礼拝堂、CCTV/セキュリティ、防衛防災、エンターテイメント、イベント、教育などの分野でも使用されます。
2.光伝送装置に特化した製品ラインナップ
2-1.3つの光伝送装置に特化した製品ラインナップ
Barnfind Technologiesの製品ラインナップは、光ファイバー伝送装置に特化しています。
光ファイバーとSFP、BNCそれぞれのコネクターを有し、1RUラックマウントスケールで32×32クロスポイントスイッチングを行う「BarnOneシリーズ」ルーティングスイッチャー。BarnOneの入出力を用途に応じて拡張する「Stagebox break-out panel」
各種の信号をSFPに変換し、波長多重、伝送を行うミニコンバーター「BarnMiniシリーズ」と、そのSFPポートに対応する各種SFPモジュール。
波長多重を受け持つパッシブのCWDM Mux/Demux「LGXシリーズ」
そして、今年テクノハウスが取り扱いを開始した「BarnColorシリーズ」があります。
2-2.CWDM技術をより広める「BarnColor」
BarnColorシリーズは、複数の映像信号を1本のシングルモードファイバー(SMF)で伝送するCWDM技術の利便性を、より多くのシーンで活用することを目指しています。
CWDM(波長分割多重:ITU-T G694.2)は、光ファイバーの中を伝送する光信号の波長を20nm間隔で多重して、任意のプロトコルを同じリンク上で他のプロトコルと並行して伝送する技術です。(例:HD-SDI 1570nmを、3G-SDI 1590nm、およびMADI 1610nmと共に伝送)1本の光ファイバー上を最大18の信号が伝送できます。
展開されているプロトコルに関係なく、波長多重は単に光をパッシブのフィルターで屈折させているだけなので、インフラストラクチャの長期的な運用が可能です。
ITU-T G694.2の仕様は2002年に発行された20年以上の実績を持つ技術で、すでに多くの放送局、通信キャリアで運用されています。
BarnColorはこのCWDMをよりシンプルに活用できるよう、18の波長のうち16を採用し、4つずつを1つの筐体に纏めて、それぞれの筐体を色分けしています。また、2芯のSMFを使うことで双方向の伝送となり、シンプルに同じ色、同じプロトコルどうしをつなげれば、波長を意識しなくても簡単に4系統双方向伝送が可能になります。
3.複数伝送を特徴づけるカスケード接続
BarnColorシリーズはフロントパネルに、伝送接続用のNeutrik opticalCON DUOコネクターとして「Peers」と「Cascade」が用意されています。通常接続ではPeersどうしを接続しますが、もし、異なる色分けをした複数のBarnColorを一度に伝送するならば、Cascadeを使い波長多重を行うことで、4色合計16、双方向32の信号を1本の2芯SMFで伝送できます。
このカスケード接続はプロトコルの種類を混在した伝送が可能ですので、映像、音声、制御を混在した伝送が必要な時に有効なシステムになります。
いずれの接続方法の場合でも、Barncolorは圧縮や方式変換を行いません。シンプルに電気信号を光信号に変えているだけで、プロトコルは維持されたままです。余計なシグナルプロセスを行わないため、遅延や画質劣化とは無縁です。
4.2024年のIBCで3種類の新しいモデルが追加されました
2024年にテクノハウスがBarnfind Technologies製品の取り扱いを開始した際には、Barncolorシリーズのラインナップは5種類でした。
- BarnColor-3G-SDI(各色)…3G-SDIモデル
- BarnColor-12G-SDI(各色)…12G-SDIモデル
- BarnColor-Eth-PoE(各色)…1Gイーサネットモデル
- BarnColor-10GSFP-Flex(各色)…SFP 10Gモデル
- BarnColor-12GSFP-Flex(各色)…SFP 12Gモデル
2024年のIBCで、BarnfindはBarnColorシリーズに、さらにラインナップを追加しました。
4-1.BarnColor-NATIVE-4K(各色)
BarnColorのHDMI2.0伝送モデルです。
これまでBarnColorでHDMIを伝送する場合には、サードパーティのHDMI-SDI変換器を使い、一旦SDIにしてからBarnColorのSDIモデルに入力する、もしくは、EB35TD1T-SM SFPを使い、BarnColor-12GSFP-Flexで伝送するというものでした。このEB35TD1T-SMもSFP内でSDIに方式変換をおこないます。そのため、HDMI2.0のすべての機能、画質情報量を伝送することはできませんでした。
BarnColor-NATIVE-4Kでは4波長往復すべてを使い、最大10kmまで1本のHDMI2.0非圧縮信号の情報を完全に伝送します。
4-2.BarnPalette-OCS
BarnfindはBarnColorシリーズの補助的な存在としてBarnPaletteシリーズの製品を2つ発売開始しました。
BarnPalette-OCSは、ミッションクリティカルなアプリケーションで中断のないファイバー接続を確保する製品です。このシステムは、プライマリとバックアップのデュアルファイバー構成で、OCS はプライマリファイバーを継続的に監視し、問題が検出されるとすぐにバックアップファイバーに切り替えます。この瞬間的遷移により、最大限の稼働時間と信頼性が保証されるため、あらゆるハイリスク環境に不可欠なツールとなります。
4-3.BarnPalette-AAx8
BarnPalette-AAx8は、BarnColorカスケードシステムの一部として、または他の光ファイバー伝送システムと独立して使用できるように設計されています。
光ファイバーを介してアナログ オーディオ信号を伝送し、信号劣化のない高忠実度のオーディオ伝送を保証します。ユニットごとに8つのアナログ入力と8つのアナログ出力に対応しています。入力レベルは設定可能で、ファンタム電源を切り替えることができます。BarnPalette-AAx8は、ライブイベントや放送など、オーディオ品質が最も重要となるアプリケーションに最適です。
5.BarnColor エコシステムの完成
これらの新製品の追加により、BarnColorは、現在、最も包括的かつ高度な光ファイバートランスポートシステムとしての地位を固めました。高解像度の12G-SDIやオーディオトランスポートからイーサネットおよびHDMIソリューションまで、BarnColorは比類のないパフォーマンス、信頼性、柔軟性を提供します。トランスポートインフラストラクチャの最適化を求める組織にとって、これは究極の選択肢です。
デモ機や購入、プロジェクトについてのご相談は随時承っておりますので弊社の担当営業者、もしくはウェブお問い合わせフォームまでご連絡いただければと思います。