Theatrixx(シアトリクス)コンバーターシリーズのコンセプト
公開日:2020/01/10最終更新日:2023/10/24
Theatrixx(シアトリクス)のxVisionコンバーターは単なる箱に入った変換機ではなく、コンセプトを持った製品群です。
あらゆる映像表現の現場において、コンシューマーモデルとプロ用製品が混在し、それぞれの規格を補う意味で各社からミニコンバーターと呼ばれる製品が多数発売されています。また、SDI規格が認知され1本の同軸ケーブルで映像と音声が同時に伝送できるようになってから、映像と音声を分離・結合するためのエンベデッター・ディエンベデッターと呼ばれる製品も長年使われています。そして、光ファイバーやHDBaseTの様な伝送設備用のペリフェラルの使用も普通になってきています。
1.TheatrixxのxVisionコンバーターシリーズ
TheatrixxのxVisionコンバーターシリーズもそれらと同様のペリフェラル機器ですが、その製品コンセプトは明らかに違っています。タフなイベント・中継現場で安心して使えるためにデザインされています。つまり、単に電気的特性の変換ではなく、使用現場のシーンに合わせたシリーズ共通のコンセプトデザインを持っているのです。
1-1.ヘビーデューティー仕様
あらゆる運用方法に耐えるよう強靭なエンクロージャを設計しました。
上部と下部のプレートは6.35mmの厚さで、4つの側面すべてを保護しています。 また、このユニークな構造は、デバイスが落下した場合に同軸コネクタを保護します。
1-2.電源はDCアダプター不要
電源はDCアダプター不要、AC入力の内蔵電源です。接続にはノイトリック製のプロ用電源コネクタ「powerCON TRUE1」を採用しています。プロ仕様の電源品質を、24時間365日連続稼働する信頼性を提供します。
入力コネクタの反対側には補助ACコンセントが備わっていて、タコ足配線を行わず複数のユニットにデイジーチェーン接続で確実にすばやく電力を供給できます。
1-3.すべてのコネクターはロック式
電源、同軸はもとより、HDMIを含むすべてのコネクタはロック式を採用しています。
HDMIもねじ止め式のロックケーブルを使用することができますので、実稼働中の偶発的な切断を防ぎます。そのコネクタは、単に基盤だけで支えているのではなく、フレームに固定されています。 これにより、ケーブルによってコネクタに応力がかかった場合に、力がシャーシに沿って分散され、デバイス内部の電子部品に損傷を与えるのを防ぎます。
1-4.タフな現場で使用することを想定した設計
xVisionコンバーターシリーズすべてで同じ設置面積の設計がなされていて、シャーシは磁化されているため、安定して積み重ねることができます。 また、底面には滑り止めのゴムパッドが設置されています。
イベント等の現場では、仮設でテーブルの上に置いただけで運用することもあるはずです。底面のゴムパッドとシャーシの磁化はその様な簡易的な設営方法でも、テーブルの上からずれ落ちる心配がありません。
あらゆる場所への設置を可能にするため、オプションのCクランプで固定ができます。 Cクランプは、コンバーター付属のメガキューブに固定されており、パイプまたはトラスにxVisionを掛けて使用できます。
また、ストラップベルトでの設置も可能で、さらに設置場所の可能性は広がります。
xVisionシリーズラインナップ
- HDMI to SDIコンバーター「XVVHDMI2SDIT1」
- SDI to HDMIコンバーター「XVVSDI2HDMIT1」
- SDI-HDMI 双方向「XVVSDIXHDMIT1」
- エンベデッダー「XVVAUDIO2SDIT1」
- ディエンベデッダー「XVVSDI2AUDIOT1」
- SDI ディストリビューションアンプ 1:4「XVVSDIDAT1」
- Dual Channel SDI リピーター「XVVSDI2SDIT1」
- SDI 光コンバーター(TX)「XVVSDI2FIBERT1」
- SDI光コンバーター(RX)「XVVFIBER2SDIT1」
- 12G-SDI 光コンバーター(TX)「XVVSDI2FIBERT1-12G」
- 12G-SDI光コンバーター(RX)「XVVFIBER2SDIT1-12G」
- HDMI HDBT延長器(TX)「XVVHDMI2HDBTT1」
- HDMI HDBT延長器(RX)「XVVHDBT2HDMIT1」
- HDMI ディストリビューションアンプ 1:4「XVVHDMIDAT1」
- ストリーミングサーバー「XVVVDO2IPT1」
2.ラックマウントフレーム&コンバーターモジュール
Theatrixxのコンバーターは、xVisionシリーズの他に3RU8ベイのラックマウントタイプがあります。
多くのコンバーターがそうであるように、xVisionスタンドアローンタイプに新しくラインナップが加わると、ラックマウントタイプにも反映されます。つまり、内部基盤構成は同じでラックマウント用にデザインされるわけです。しかし、他メーカーと違い、基盤製品ではなくモジュール形態をとっています。
1台のラックマウントフレームに8台までのモジュールが内蔵可能です。
このモジュールとラックマウントフレームも、独特な特徴を持っています。
ラックマウントフレームは前後に開口があり、ケーブルアサインは背面だけでなく前面からも行います。
電源は冗長化されていて、xVision同様にpowerCON TRUE1が採用されています。
スタンドアローンは完全にファンレス設計でした。同様の消費電力からラックマウントタイプになった場合でもファンは電源用に最小限ついているだけです。発熱が少なく、また、現場での騒音源になることもありません。
モジュールは前後両面に電源端子を備えています。つまり、完全にリバーシブルで設置向きをユーザーが選ぶことができます。前面に入力端子を持ってくるか出力端子を持ってくるか、ユーザーが使い勝手に合わせて設置できるのです。
これらの製品のもう一つの特徴として、高い信頼性があげられます。製品の故障率が極めて低く、長期にわたって使用していただくことができます。この手のコンバーターにありがちな「消耗品的」な扱いではなく、真に使いやすいコンバーター製品といえるのです。