報道マトリクスシステム導入事例 -ニッポン放送様-
公開日:2020/09/23最終更新日:2023/04/04
今回ニッポン放送 報道フロアにDHDマトリクスを導入しました。
IO BOXとセレクターだけ構築された収録システム向けのマトリクスシステムです。
DAW用 RECセレクター
収録を行うDAWへの入力素材切替
他のDAW素材を間違えて切り替えることが無いように、DAWの上に設置してあります。
12素材のダイレクトスイッチで普段使う素材の切り替えを行い、ここに収まりきらないの素材は右端のロータリーセレクターで切り替えます。収録中の誤操作防止用に「LOCK」キーを用意し、「LOCK」を押しながら素材の切り替えを行います。
マトリクス監視パネル
タッチディスプレイを監視画面にもち、それぞれのクロスポイントの状態の確認や、レベル確認、設定などを行います。
本体内蔵のスピーカーでオンエアやクロスポイントの音声を選択してモニターもできます。
<監視画面>
全てのDAWへの送りレベルをVUメータで監視する画面があり、この画面でレベル監視だけではなく、メーター下のスライダーを使って個別に送りレベルの調整もできます。
DAW個別に用意された画面では、個別にレベル監視、調整、素材選択を行えます。DAWのそばに設置されたセレクターとも連動しています。
予備出力はこのAUX SEND画面で素材の切り替えを行います。
これらの画面は仕様に合わせて全てデザインをします。普段の操作感を考え、誰でも操作できるわかりやすい画面、さらに誤操作防ぐ安全対策も組み込んであります。要望が増えれば増えるほどデザインに時間はかかりますが、完成したときの操作感はとても良くすぐに運用していただける物ができあがります。
収録用ミキサー
マトリクスの他に、報道フロアから割り込み放送、収録が行えるように簡易ミキサーも用意しました。
マイクだけを操作できるシンプルな操作面をでデザインしていて、ふだんはオンエアーをモニターするためのパネルとして、放送、収録時はミキサーとして使用します。
マイク2本だけを操作する簡単なミキサー操作面となっています。ディスプレイタイプのフェーダーですが、実際の操作は手元のスイッチを押すだけでフェーダーが定格位置に上がるので、画面上でフェーダーを操作することはほとんどありません。
また電話収録を行う際は、収録用ミキサーからラックに実装されているテレホンハイブリットをリモート操作もできるようになっています。タッチディスプレイに表示されているON/OFFスイッチから操作を行うので、間違えて触れてしまった時にご動作することを防ぐために、ON/OFFスイッチの長押しでリモートする機能も搭載してあります。
システムのポイント
ニッポン放送では同様のマトリクスを使用したシステムをダビングルームに導入していただいています。操作方法はダビングルームに合わせて作り込みをしていますが、今回は新しいファームウェアがリリースされたこともあり、VUメーター表示ができるようになり、レベルの確認がしやすい画面をデザインすることができました。
今後リリース予定のファームウェアでは日本語フォントに対応もされることになっていて、英語表記ではわかりにくかった素材名称を日本語で表記することができるようになり、更に視認性が上がり素材の切り替えに迷うことが無くなりそうです。
今回のシステムはDHD.audioだけで完結したシステムになっていますが、シリアルリモートや、接点制御など外部からの制御にも対応しているので、様々なシステムに組み込むことも可能です。今後はこのようなミキサーでは無いシステムへの展開も増えていくでしょう。
今回の使用機材
マトリクスシステム(DHD.audio)
DSP
- XC2 Core(52-7420)
IO BOX
- Analog IO BOX (52-7224)
- MIC/HP BOX (52-7235)
- Digital IO BOX(52-7112)
セレクター
- Q-Panel (52-6500)
- +10スイッチモジュール (52-6410)
- +エンコーダーモジュール (52-6540)
監視パネル
- 19インチパネル (52-3660)
- +TFTディスプレイ (52-4510)
- +コントロールモジュール (52-4516)
- +スピーカーモジュール(52-4527)
収録用ミキサー
- 52/TXタッチミキサー
テレホンハイブリッド
- SONIFEX DHY-03S
※2023/4/4追記 プロオーディオ製品は現在ヒビノインターサウンドでお取り扱いしております。